所長のコラム

12月コラム INVICTUS

INVICTUSとは、2010年に日本で公開されたクリント・イーストウッド監督作品『インビクタス/負けざる者たち』です。この物語は、南アフリカ共和国黒人初の大統領ネルソン・マンデラ氏の生き様と彼が起こした奇跡をつづったものです。1995年、国の恥とまで言われた南アフリカ代表の弱小ラグビーチーム「スプリングボクス」を自国開催のラグビーワールドカップへ初出場初優勝へと導きました。そして、これがアパルトヘイト(人種隔離政策)で世界から制裁を受けていた南アの歴史を大きく変えるきっかけを作ったのです。

マンデラ氏といえば、反体制活動家として27年間もの間、投獄され、アパルトヘイト時代において黒人は白人から計り知れない迫害を受けてきました。ですから、マンデラ氏が大統領になったとき、白人官僚たちは報復的な人事をするのではないかと恐れていました。しかし、彼は言います。「過去は過去だ」と昔の敵を許し、「新しい南アフリカを作るために協力してほしい」と和解と団結を求めます。なかなかできることではありませんよね。

自分の周りを見渡してみると、アパルトヘイトのような状況ではありませんが、心と心が「分断」された世界ができていませんか。家族、友人、近所の方、社内の上司・同僚・部下、お客様、協力会社、同業者団体、などなど。間違いなく私には分断された世界があります。それは相手を許すことのできない心の狭さ、そして、自ら融和をはかろうと行動する勇気が欠けているからです。もちろん人により事情は様々、かくいうマンデラ氏も2度離婚しています。ですが、政治家としてのマンデラ氏には、新しい南アフリカ共和国、黒人と白人の区別なく全民族融和を実現するという明確かつ強い思いがあったからこそできたんでしょうね。ただ、今現在、自分のまわりで「分断」された世界でお悩みの方、また、壁にぶつかってうまくいかず弱気になっている方がみえましたたら、是非、この映画をご覧ください。本当に感動しますよ。勇気が湧きます。マンデラ氏を演じるモーガン・フリーマンの演技が光り輝いています。

最後に、マンデラ氏が投獄中に心の支えとなった詩「INVICTUS」の一節をご紹介します。
「私が我が運命の支配者、私が我が魂の指揮官なのだ」   心を強く。勇気をもって。



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鈴木伸治公認会計士・税理士事務所/税理士 岡崎/岡崎市 税理士


岡崎市 会計士 鈴木伸治公認会計士・税理士事務所